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プロジェクトレポート
2008.11.26
「子どもとケータイForum2008」 レポート(1)

学校関係者、教育研究者、企業、警察、そしてPTA
さまざまな立場から子どもとケータイのあり方を考える
フォーラムを、熊本県教委が開催!

 平成20年9月17日、熊本県教育委員会主催による「子どもとケータイForum2008」が開催された。会場となった県立劇場には、学校関係者や保護者など、約1000名の参加者が詰めかけ、ほぼ満席状態。報道関係者も多数取材に訪れるなど、注目度の高さがうかがえた。学校関係者から教育研究者、企業、県警、そしてPTAなど、さまざまな視点から、子どもとケータイをどうつきあわせるかが語られ、会場は熱気に包まれた。その模様を、4回にわたってレポートする。

会場の様子

子どもたちに、今、何が起きているか

「現在問題になっているネットいじめは、従来のいじめと大きく異なる点があります。それは、堀田先生自分の悪口を誰が言っているのか、ネット上に書いているのか、まったく見えない点。いじめられている子どもは疑心暗鬼に陥り、恐怖と不安にさいなまれます。こんな状態では、とても勉強どころではありません。ケータイやインターネットがらみの犯罪よりも、子どもにとってはネットいじめの方が身近で、ずっと深刻な問題なんです」

 フォーラムは、独立行政法人メディア教育開発センターの堀田龍也・准教授の基調講演「子どもをとりまくケータイの現状」からスタートした。
  さらに堀田准教授は、内閣府の調査データを引用しながら、子どもたちの意識についても言及した。
「内閣府の調査によると、『匿名掲示板を利用する理由』として最も多かった回答は、『時間潰しに適している』でした。かつて、子どもの時間潰しといえばテレビでしたが、テレビを見ているだけでは犯罪やトラブルには巻き込まれなかった。しかし、ネットは違います。暇つぶし感覚の軽い気持ちで利用して、犯罪やトラブルに遭遇してしまう。これが、今の子どもたちの現状です」

 堀田准教授は、本フォーラムの論点として、以下の3点を列挙した。


1)現状:子どもを取り巻くケータイ事情
いったい何が起こっているのか
2)挑戦:学校や関係機関はどう取り組んでいるのか。
学校で実施すべきこと、家庭で実施すべきこと
3)未来:安心・安全な社会のために
安心・安全を守るための技術と、これからのケータイ


学校裏サイトで何が起きているか?

 続いて、株式会社ガイアックスの蔵田三沙代氏による講演、「いわゆる『学校裏サイト』での子どもたちの姿」が行われた。企業のコミュニティサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの監視業務を行っている同社では、学校向けに「スクールガーディアン」というサービスも提供中。これは、学校裏サイトを検索して巡回監視し、誹謗中傷など危険な書き込みを発見して学校に報告するとともに、プロバイダへの削除依頼代行も行うサービスだ。現在私立学校を中心に十数校と契約し、24時間365日体制で学校裏サイトの巡回監視等を行っている。

「学校裏サイトは、先生たちの目に見えにくい存在です。生活指導や情報教育担当の先生が、独力で学校裏サイトを探し出して頑張っているケースも多いのですが、これはとても大変な作業。簡単には見つかりませんし、不適切な書き込みを発見したとしても、プロバイダへ削除依頼を出すのも一苦労。かなりの時間と労力を奪われてしまいます」

 そこで、ノウハウを持っているガイアックスが、学校裏サイトの検索・監視・削除依頼を、学校に代わって実施。スクールガーディアンが監視を始めると、学校裏サイトから不適切な書き込みがどんどん減っていき、「浄化」されるという。
「ネット上の暴言や誹謗中傷は、ニューヨークの地下鉄の落書きと同じで、放置しておくと、さらに不適切な書き込みを呼び込みます。早期発見と対応が必要なのです」と、蔵田氏は言う。ある学校で試験的にサービスを提供したところ、現在進行形のネットいじめを発見し、即学校側に通報して、事態の悪化を未然に防いだこともあるそうだ。
 
「ただし、学校裏サイト=悪いサイトと思われがちですが、全ての学校裏サイトが悪いわけではありません。中には、良い方向に機能している学校裏サイトもあるんです。もともと学校裏サイトは約10年ほど前から登場し始めましたが、OB同士の交流や、情報交換、思い出談義や、いじめや受験の相談の場として、上手に快適に利用されているケースも多いんです。ただ最近は、学校裏サイトでの誹謗中傷やいじめ、喧嘩、個人情報の流出など、問題点のみがクローズアップされているため、マイナスイメージが広まってしまっているのです」

 蔵田氏は、インターネットやケータイを「ハサミ」になぞらえて、こう説明する。

「ハサミはとても便利な道具です。紙を切ったり、創作活動もできる便利な道具です。と同時に、ハサミは人を傷つける凶器にもなります。インターネットやケータイも同じ。インターネットやケータイそのものが悪いのではなく、使い方の問題なのです。批判されることの多いネット上での匿名性にしても、匿名だからこそ相談できること、悩みを打ち明けられることもある。
  大切なのは、利用実態に則したリスクを認識することと、使い方やルールを確立して浸透させることです」

 リスクを認識する例として、蔵田氏は以下のように整理してくれた。

1)他人への誹謗中傷や暴言
・誹謗中傷した暴言の証拠が残り、匿名掲示板であろうとも発信者を特定することが技術的に可能。
・名誉毀損や恐喝などの犯罪行為になる恐れがあり、学校裏サイトでの暴言で逮捕者も出ている。

2)個人情報
・氏名、学校名などの組み合わせで、個人を特定することが可能。
・ストーカーや援助交際、迷惑メール、本人になりすました迷惑行為などに巻き込まれる危険あり。

「こういったリスクを認識したうえで、万が一何かあったときのために備えておくことが必要です。まず、子どもが相談しやすい環境を作りましょう。『ケータイはダメ!』『ネットはダメ!』の一点張りではダメです。大人もネットやケータイの基礎知識を身につけ、企業、学校、家庭で、全方位的に取り組むことが必要だと思います」

学校裏サイト対策のスクールガーディアン

 

蔵田氏
資料

 

豊かな学びと安全な暮らしをつくるケータイと子どもの幸せな関係

キッズケータイ活用プロジェクト K3 PROJECT
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